磁気圏界面静止軌道通過の解析 3
*吉田 大紀[1], 荒木 徹[1]
京都大学大学院理学研究科[1]
Analysis of Geosynchronous Magnetopause Crossings 3
*Daiki Yoshida[1]
,Tohru Araki [1]
Graduate School of Science, Kyoto University[1]
We analyzed high time-resolution data observed by GOES during
2 Geosynchronous Magnetopause Crossing (GMC) events previously
reported. One is a Bz type event observed on Mar. 10, 1998, and
the other is Pd type event lasting for about 3 hours on Sep.
22, 1999. In the first event, the magnetosheath was observed
by GOES 10 at 11 LT from 1750 to 1803 UT, and by GOES 9 at 9
LT from 1754 to 1807 UT, but GOES 8 at 13 LT stayed in the magnetosphere.
The boundary normal directions calculated from the data during
the crossings, were nearly radial from the earth.
Here we discuss the geomagnetic responses observed at geosynchronous
orbit and on the ground to the solar wind conditions during these
events.
Magnetopauseは、地球磁場と太陽風プラズマの相互作用により、
太陽直下点では通常約10Re付近に形成されるが、時として静止軌道
(6.6Re)内側まで入り込むことがあり、これをGeosynchronous Magnetopause Crossing (GMC)という。GMCの原因として、太陽風動
圧(Pd)の増加による磁気圏の圧縮と惑星間空間磁場の南北成分(IMF Bz)が南向きになることに伴う地球磁場のerosionが考えられ、前
者を主因とするものをPd type、後者を主因とするものをBz typeと
呼ぶ。
前回までのSGEPSSに於いて、GOESにより観測された2例のGMCを報告
した。1例目は1998年3月10日にGOES 9により観測されたBz typeの
事例であった。また、2例目は1999年9月22日にGOES 10により観測
されたPd typeの事例で、その後約3時間に渡ってmagnetosheathが
観測された。我々は複数の太陽風衛星のデータを用い太陽風構造の
伝搬速度を決定し、地球に於ける変化と太陽風及び惑星間空間との
対応関係を調べ、Pd type、Bz typeそれぞれの事例に於ける
Magnetopause平均移動速度の算出等を行った。
1例目について、時間分解能のより高い静止軌道磁場データを用
い、さらにGOES 10のデータを新たに追加して解析を行った結果、
以下のことが判った。GOES 10(LT=約11h)は1750UTから1803UTにか
けて、GOES 9(LT=約9h)は1754UTから1807UTにかけてそれぞれ
Magnetosheathを観測したが、LT=13h付近に位置したGOES 8は磁気
圏内にとどまったままであった。また、GOES 9及びGOES 10それぞ
れのGMCに於いて、磁場変動から算出したMagnetopauseの法線方向
は、ほぼ地球半径方向であった。
本講演では、この2つの事例に於ける、IMF及びPdの変動に対する
Magnetopauseの移動と静止軌道域及び地上での磁場応答について議
論する。