Geotail衛星データにより得られた大振幅磁気流体波動の位相相関:統計解析

*山本 英子[1], 羽田 亨[1]

九州大学総合理工学府大気海洋環境システム学専攻[1]

Phase correlation of large amplitude MHD waves observed by Geotail: Statistical study

*Eiko Yamamoto[1] ,Tohru Hada [1]
E.S.S.T, Kyushu University[1]

Large amplitude MHD turbulence is common in space plasma. They can be written as a superposition of Fourier modes with characteristic frequency, amplitude, and phase. Nonlinear interactions between the Fourier modes are likely to produce finite correlation among the wave phases. As reported earlier, we are making an attempt to characterize the phase correlation by comparison of observed data to its surrogate.
In this presentation, based on statistical analysis, we discuss dependence of the phase correlation to the turbulence level, wave propagation direction, and the region where the turbulence is observed.
Further, we determine the range of wave numbers most dominantly contributing to the observed phase coherence.

 太陽風中、また地球磁気圏近傍には、比較的大振幅の磁気流体乱 流が観測される。この磁場は、多くのフーリエモードの重ね合わせ である。各モードの位相は、完全にランダムな組ではなく、波動間 の非線形相互作用により相関が作られていると考えられる。
Geotail衛星による磁場データを用いて、磁気流体波動間に非線 形相互作用が働いているかどうかを検証する。まず、観測された磁 場データをフーリエ変換し、波動のパワーは変えず、位相のみをラ ンダム化したサロゲートと完全に揃えたサロゲートを作成する。こ れらを特徴付けるために、フラクタル解析を行ない、様々な波動振 幅レベル、波動スペクトルの場合に対して統計を行なった。
今回は、観測データとモデルデータのフラクタル解析の結果の比 較から、非線形相互作用の定量的評価をする。またデータ中のある 波数郡を取り出して作成したサロゲートと、全ての波数を含むサロ ゲートの解析結果を比較することによって、位相相関を担う特徴的 な波数についても議論する。
またデータ数を増やして統計的解析を行なうことにより、位相相 関の波動振幅レベルに対する依存性、また波動の観測される領域に 対する依存性や伝播方向の分布依存性について議論を行なう。