きく衛星で観測されたcompressional Pc3と地上で観測されたPc3との位相関係

*由井 隼人[1], 田中 良昌[1], 河野 英昭[2]
湯元 清文[2]
環太平洋地磁気ネットワークグループ

九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻[1]
九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門[2]

The phase relation between Pc3 magnetic pulsations on the ground and compressional Pc3 waves at ETS-VI

*Hayato Yoshii[1] ,Yoshimasa Tanaka [1],Hideaki Kawano [2]
Kiyofumi Yumoto [2]
The Circum-pan Pacific Magnetometer Network
Graduate School of Sciences, Kyushu University[1]
Faculty of Sciences, Kyushu University[2]

A coherence and a phase difference between the compressional Pc3 waves in the magnetosphere and simultaneous ground Pc3 magnetic pulsations were researched by means of AMPTE CCE and one ground station. (Kim et al.,1998)
In this study, we use ETS-VI satellite, and the CPMN stations located from the equatorial to auroral region: By using them we investigate in detail the latitude and local time dependence of the amplitude ratio, coherence, and phase difference of Pc3 moreglobally than before, and examine if they have systematic behaviors.

磁気圏におけるcompressional Pc3の磁場変動と地上磁場H成分の 間の相関と位相差について、Kim et al.(1998) はAMPTE CCEと 地上の一点のデータを用いて研究した。しかしそこでは、地上に おける緯度依存性は考慮されていなかった。そこで今回は、 きく衛星で観測されたデータと、九州大学が中心となって観測 している環太平洋地磁気ネットワークの赤道付近からオーロラ帯に またがるデータを使用することによって、よりグローバルに相関や 位相差の関係、振幅比のローカルタイム依存性や緯度依存性に ついて詳しく調べ、それらに何らかの規則性が無いかを調べた。
 今回使用したデータは、1995年の7月から10月までの間 で、磁気経度210度線付近が昼半球にある時にその上空を きく衛星が飛んでいた期間のデータである。それらのデータの 位相差やパワースペクトル、相関を取り、双方のデータ間の相関が 良い現象を見出し、それらについて位相差や振幅比のローカル タイム依存性や緯度依存性を調べる。それにより、その発生機構を より詳しく理解することを目標とする。
 現在、相関の良い現象 が数日分見つかっており、学会ではそれらの現象について、相関や 位相差、振幅分布について詳しく議論し紹介する。

 きく衛星の データは、宇宙開発事業団より頂きました。