太陽風動圧変動による地球磁場のDP 2変動特性について
*上川 佳[1], 湯元 清文[1]
環太平洋地磁気ネットワーク
九州大学大学院理学府[1]
Characteristics of DP 2 Magnetic Variations Caused by Fluctuations of Solar Wind Dynamic Pressure
*Kei Kamikawa[1]
,Kiyohumi Yumoto [1]
The Circum-pan Pacific Magnetometer Network
Graduate School of Science, Kyushu University[1]
A DP 2 fluctuation observed at the CPMN stations on May 28 -
29, 1996, is analyzed to investigate the correlation to the fluctuation
of solar wind parameter. The correlation coefficient between
the DP 2 magnetic variations at GUA and the solar wind dynamic
pressure is found to show 0.87, whereas the Bz component of IMF
turned northward without the fluctuation corresponding to the
DP 2 on the ground. We conclude that this phenomenon cannot be
explained by the ordinary generation mechanism of DP 2 but a
new model.
1996年5月28日〜29日(UT)にかけて地上で観測され
た磁場変動には、20分から2時間の周期帯を持ち、昼側磁気赤
道上では明らかにエンハンスを伴った準周期的なDP 2変動が発生
していた。この現象について、WIND衛星による太陽風パラメータ
と地上磁場変動との相互相関係数を求めた。その結果、惑星間空
間磁場の南北成分(Bz)及び太陽風電場の東西成分(Ey)と地上
磁場変動との相関は決してよいものとはいえず、太陽風の動圧変
動との相関の方が高いことがわかった。さらにこの現象は、発生
している時間帯にはBzは周期的な南北反転を繰り返しておらず全
体的に北方向を向いているにも関わらず、磁気赤道上ではエンハ
ンスを伴っていた。これはこの時間帯において明らかに極域電離
層へ電場が侵入していることを強く示唆している。
また、WIND衛星から昼側magnetopauseまでの太陽風のtravel timeの見積もりより、本イベントにおける太陽風動圧変動に対す
る地上磁場変動の応答時間は3〜4分以内であることが明らかに
なった。
本講演ではこのようなDP 2変動と特徴を等しくし、かつその源
を太陽風の動圧に持つ現象が一体どのような物理的背景を持つも
のなのか、環太平洋地磁気ネットワーク(CPMN, http:// denji102.geo.kyushu-u.ac.jp/denji/obs/obs_e.html)や世界資
料センター(WDC, http://swdcdb.kugi.kyoto-u.ac.jp/index- j.html)、WIND衛星(NASA, http://cdaweb.gsfc.nasa.gov/)の
データを用いて解析的に明らかにする。