アラスカプロジェクト全天型イメージャの
絶対値較正及び感度特性経年変化の調査
*山本 真行[1], 久保田 実[1], 竹下 秀[2], 江尻 全機[2]
通信総合研究所[1]
国立極地研究所[2]
Investigations of sensitivity and its secular change
for CRL all-sky imagers
*Masa-yuki Yamamoto[1]
,Minoru Kubota [1],Shu Takeshita [2]
Masaki Ejiri [2]
Communications Research Laboratory[1]
National Institute of Polar Research[2]
As a part of an international cooperative research project
with Geophysical Institute of University of Alaska, we developed
two all-sky imagers (CRL-ASI). Aurora/airglow observations using
the CRL-ASIs were started from October 2000. In this report,
we present the results of absolute sensitivity calibrations,
which were conducted using calibration facilities including an
integrating sphere and a spectrometer in NIPR. The CRL-ASIs consist
of two optical systems, two CCD cameras, and interference filters.
In addition to the absolute sensitivity for each imager, we measured
difference of transmission functions and sensitivities between
the two systems. Secular changes of the ASI sensitivity, transmission
rate of the inteference filters will be also discussed.
通信総合研究所ではアラスカ大学との共同プロジェクトとして北
極域中層大気総合観測(アラスカプロジェクト)を進めている。そ
の一環として多波長全天型イメージャ(CRL-ASI)が開発され、2000 年10月よりアラスカ・ポーカーフラットにおいて2台のCRL-ASIに
よる定常観測が開始された。10波長によるオーロラ並びに大気光の
観測が行われており、初期結果から大気光波状構造の観測例が報告
されている(久保田他、地球惑星科学関連学会2001年合同大会予稿
集、Ep-015)。
本装置は1999年8月に一部の波長について極地研の積分球を用い
感度キャリブレーションを行なっているが、今回アラスカで観測端
境期となる夏期間にイメージャを日本に持ち帰り、2001年8月にす
べての観測波長について再度キャリブレーションを実施した。また
観測に用いている各波長の干渉フィルター透過特性についても極地
研の分光光度計により測定した。これらの検定に使用したフィルタ
ーは以下の14種類である(427.8nm, 481.4nm, 485.9nm, 557.7nm, 572.3nm, 589.0nm, 630.0nm, 670.5nm, 732.0nm, 770.0nm, 777.4 nm, 844.6nm, 866.5nm, OH(>680nm with a notch at 865nm))。
2台のCRL-ASIは同一設計であり、光学系部分(MUSASI1,2)とCC
Dカメラ(CCD1,2)から構成されている。したがってこれらの組合せ
を変えることによって光学系による感度(透過率)測定の差やCCD
カメラごとの感度特性の差に関するデータ取得が可能で、同設計の
観測装置における個体差を論じることができる。また前回(1999年
8月)取得したキャリブレーションデータと比較することにより、
CRL-ASIの感度特性ならびにフィルター透過特性の経年変化につい
ても調査することが可能である。今回の発表ではこれらの調査結果
について報告するとともに、イメージャ観測で得られる発光強度に
ついての信頼性の評価に関して定量的に議論したい。