非定常な超臨界垂直衝撃波:重イオンの効果
*大西 真紀子[1], 羽田 亨[1], B Lembege[2]
P Savoini[2]
九州大学総合理工学府大気海洋環境システム学専攻[1]
CETP-CNRS-UVSQ, Velizi, France[2]
Nonstationary of supercritical perpendicular shock waves: effect of heavy ion species
*M Oonishi[1]
,T Hada [1],B Lembege [2],P Savoini [2]
ESST, Kyushu University, Japan[1]
CETP-CNRS-UVSQ, Velizi, France[2]
We discuss stationarity of the supercritical perpendicular shocks
by using a method similar to the hybrid simulation, in which
we treat the incoming and the reflected ions as independent elements
of a multi-fluid, whereas the electrons as charge neutralizing
background. We iteratively seek for self-consistent profile of
ion distribution and electromagnetic field, for a given set of
upstream shock parameters and the fraction of reflected ions.
In the present study, we discuss stability of perpendicular shocks
when upstream plasma contains some heavy ion species.
宇宙空間に見られる様々な無衝突衝撃波の構造について研究してい
る。上流のマッハ数が臨界マッハ数よりも小さい場合、衝撃波は亜
臨界(subcritical)であり、その構造は流体的に記述可能であ
る。一方、上流のマッハ数が臨界マッハ数より大きい場合には超臨
界(supercritical)な衝撃波となり、衝撃波面で1割から2割程度
の上流プラズマが反射される。そして、マッハ数が大きい場合、特
に反射粒子の割合に強く依存して、非定常な垂直衝撃波になること
は、すでにLeroy達(1982)のハイブリッドシミュレーションによ
る研究に示されている。我々はハイブリッドシミュレーションに似
た方法で、入射粒子と反射粒子をそれぞれ別の流体として扱い、こ
れらの重ね合わせにより粒子を記述し、中性流体として電子を背景
として記述する方法を用いた。定常な衝撃波と仮定し、自己無撞着
な粒子と電磁場の発展を行うにあたり、衝撃波面における入射粒子
の速度と反射粒子の速度を対応させて、非定常な衝撃波が存在し得
るパラメータ領域を探す。加えて、重水素粒子が存在する場合の入
射・反射粒子の振るまいが、衝撃波が非定常になり得るパラメータ
領域にどのように影響するかを調べる。今回の発表では、ヘリウム
などの重イオンが上流プラズマ中に存在する場合の衝撃波の振る舞
いについて、計算した結果を示す。安定な衝撃波の構造、不安定と
なる場合の重イオン粒子の密度に対する依存性について報告する。