フォアショックにおける沿磁力線
ビームの生成:GEOTAIL観測
*岡 光夫[1], 寺澤 敏夫[1], 野田 寛大[1], 齋藤 義文[2]
向井 利典[2]
東京大学[1]
宇宙科学研究所[2]
Generation of the Field-Aligned Beam in the Earth's Foreshock
*Mitsuo Oka[1]
,Toshio Terasawa [1],Hirotomo Noda [1]
Yoshifumi Saito [2],Toshifumi Mukai [2]
The University of Tokyo[1]
Institute of Space and Astronautical Science[2]
The field-aligned beam (FAB) is a collimated ion distribution
observed at the boundary of the foreshock and has been under
intense investigation. Recently, Mobius et al., 2001 reported
the spatial and temporal structure of the field-aligned beam
from Cluster CIS experiments. In this report, an observation
of the field-aligned beam utilizing GEOTAIL LEP experiments is
presented in association with the generation mechanism of the
ion distributions.
地球前面における衝撃波はおおむね定常的であり、距離にして地球
半径の10倍程度の位置で観測され、とくにdawn側ではその法線方向
が平均的な惑星間空間磁場配位と平行に近い角度を成すことが多い
。このような「準平行衝撃波」では磁力線に沿って粒子が上流へ逃
散することが可能であり,「フォアショック」領域を形成する.と
くにその境界ではイオン速度分布がビーム状で観測される.
このフォアショック境界を形成する沿磁力線ビームは太陽風(〜1
keV)と比較してエネルギーが大きい(>1keV)ことから衝撃波面での
複数回反射が加速機構として考えられており(たとえばBuregess and Schwartz, 1984),その直接観測も最近提出された(Oka et al., 合同大会,2001).また,定量的な議論としては,ISEEの観測
によって低エネルギー(<10keV)の沿磁力線ビームではアルファ
粒子の割合が太陽風より小さくなっていることが報告されているほ
か(Fuselier et al., 1995),CLUSTERによる編隊観測では沿磁力
線ビームフラックスの増減が,空間変化ではなく時間変化であるこ
とが報告されている(Mobius et al.,2001).
そこで著者らは1999年10月19日にGEOTAILが観測した沿磁力線ビーム
を定量的に考察した結果を示す.具体的にはビームフラックスの
増減が太陽風IMFの方向変化に対応していることを示し,衝撃波角
との関連を議論する.