下部熱圏プロファイラーレーダーを用いた電離圏E領域イレギュラリティの イメージング観測
*斎藤 享[1], 山本 衛[1], 深尾 昌一郎[1]
京都大学宙空電波科学研究センター[1]
Imaging studies of ionospheric E region irregularities with the lower thermosphere profiler radar
*Susumu Saito[1]
,Mamoru Yamamoto [1],Shoichiro Fuako [1]
Radio Science Center for Space and Atmosphere, Kyoto University[1]
The Lower Thermosphere Profiler Radar (BIR) is a 31.57 MHz radar
installed in the MU radar site in Shigaraki. The radar has six
receiving channels which enable multi-baseline interferometry.
With the measured arrival angle distributions and range distributions
of echoes, two-dimensional image of the field-aligned irregularities
(FAIs) in the ionospheric E region within the radar beam can
be obtained. We have conducted such measurements with the BIR
from August 7th to 10th, this year. Every nights FAIs were observed.
At this meeting, some results of imaging studies of FAIs will
be presented. And fine structures of FAIs will be discussed.
下部熱圏プロファイラーレーダーは、MUレーダーに隣接して設置
された6台の4素子八木アンテナからなるリニアアレイ2系統から
構成される、尖頭出力24kWのVHF帯(中心周波数31.57MHz)
の大気レーダー装置である。6系統の受信チャンネルを用いること
により、5つの異なる基線長を持つレーダー干渉計として運用する
ことができる。得られる到来角分布、レンジ方向のエコー分布から、
レーダービーム内のイレギュラリティの微細構造が2次元の
イメージとして得られる。
これまでのMUレーダーを用いた研究により、中緯度電離圏E領域
にみられる電離圏沿磁力線イレギュラリティ(Field-Aligned Irregularity; FAI)には、準周期エコー、連続エコー等の中緯度
特有の性質が存在することが知られている。FAIを専門に観測する
下部熱圏プロファイラーレーダーを用いたイメージング観測を
行いFAIの微細構造を明らかにすることは、FAIが生成される物理
過程の理解するうえで重要である。
本年8月7〜10日の4日間、同レーダーを用いた干渉計観測を
行った。北から西へ12度の方向へ電波を放射し、一直線上に等間隔
で並ぶ6台のアンテナで受信した。この間、毎夜夕方から夜半過ぎ
にかけてFAIが観測された。本講演では、レーダー干渉計観測に
よるFAIのイメージングの結果について報告し、FAIの微細
構造について議論する。