SELENE搭載高エネルギー同位体粒子検出器の開発
*高島 健[1], 柏木 利介[2], 奥野 祥二[2], 森 国城[3]
名古屋大学[1]
神奈川大学[2]
クリアパルス株式会社[3]
The Development of the High Energy Particle Detector onboard the SELENE spacecraft
*Takeshi Takashima[1]
,Toshisuke Kashiwagi [2]
Shoji Okuno [2],Kunishiro Mori [3]
Nagoya Univ.[1]
Kanagawa Univ.[2]
ClearPulse Co.[3]
HID and LPD sensor which will be onboard the SELENE spacecraft will
measure the cosmic ray particles to study their origin, nucleosynthesis,
particle acceleration and propagation and their role in the dynamics
of our galaxy.The direct observations of solar energetic particles
offer the best method for determining solar elemental and isotopic
composition, thereby greatly strengthening our knowledge of solar
system. By comparing the composition at various flare sites along
with solar wind and photospheric composition, it is possible
to gain key insights into the physical mechanism which transports
heavy ions into corona and the accelerates and transports into
the interplanetary space.
SELENE搭載用高エネルギー検出
器HID、LPDsはいずれも複数枚
のシリコン半導体検出器で構成
され、太陽・銀河起源の数MeV から数百MeV/nの宇宙重粒子線の
同位元素成分までの観測を行う
。粒子同定の方法は粒子弁別法
にΔE×E法を用いる。宇宙重粒
子は、エネルギー、成分とも多
様であるため、4 つの装置HID、
LPDs(He/P/e)で構成する。LPDは
、30keVの電子から数十MeV/nの
鉄までを測定し、HIDは数十〜数
百MeV/n領域の酸素からクリプト
ンまでの同位元素観測を行う。
太陽活動粒子や惑星間空間衝撃
波による加速時期や加速機構に
ついては未だに不明な部分が多
く、これらの解決のためには、
電子・陽子の低エネルギーから
高エネルギーまでの連続エネル
ギースペクトルを得ることが重
要であり、重粒子の観測と同時
に行う必要がある。これらの観
測を高精度で行うために、LPD-P とLPD-eがLPD-Heとは分離されて
いる。HIDの幾何学的因子は、
SΩ=50cm**2 sr、LPD-Heの幾
何学的因子がSΩ=5.5cm**2 sr である。GEOTAIL衛星に搭載され
たHEP-HI、MIとほぼ同程度であ
るが、エネルギーの検出範囲が
広く、GEOTAIL衛星に搭載された
HEP-HI/MIと比較して粒子の収集
能力が20〜30倍向上している。
電子回路も14〜16bitの精度を
出すためにアンプ/ピークホー
ルド回路は新設計となっている。
また、低エネルギー電子の急激
な強度変化(SEP等)に対応でき
るように、放射線計測分野で使
用されているバースト検出技術
を導入し、バーストの自動検知
が可能になり、自動的に
数十msecの分解能でデータを取
得することが可能となった。こ
の技術は水星探査の粒子観測に
も使用が期待できる。これらの
試験結果とFM設計とがほぼ終了
した粒子線検出器について報告
する。