プラズマシート中の高エネルギー粒子の朝側夕側非対称性

*今田 晋亮[1], 星野 真弘[1], 向井 利典[2]

東京大学[1]
宇宙科学研究所[2]

DAWN-DUSK asymmetry of energetic particles in the plasma sheet

*Shinsuke Imada[1] ,Masahiro Hoshino [1],Toshifumi Mukai [2]
The University of Tokyo[1]
Institute of Space and Astronautical Science[2]

We performe statistical analysis in order to observe how the particles in the plasma sheet is distributed in the direction of Y (DAWN-DUSK). We use the LEP data of Geotail from Sep 1995 to Feb 2000. These data cover the extent between -10 and -30 Re away from the Earth.
From our analysis DAWN-DUSK asymmetry is observed at high energy range. We discuss this assymmetry taking account the difference between the high-energy particles and the low-energy particles.

地球磁気圏を理解する上で plasma sheet 内のエネルギー輸送 を理解することは非常に重要である。
地球磁気圏内にはDawn-Dusk電場が存在し、 neutral sheet 内ではDawn側から Dusk側に向けて電流が流れることが一般に知られている。 この電場により生じるDawn-Dusk方向の plasma sheet の非対称性について近年盛んに研究がな されている。ISEE,AMPTE,GEOTAIL などにより熱的温度 に関しては非対称性は顕著にあらわれないという観測事実があるが、 Interballによると高エネルギー(ion 27 to 827 KeV, electron 27 to 426 KeV)の粒子のフラックス はDAWN側で electron が多くDusk側で ion が多い ということが観測で示されている( Sarafopoulos et.al, J.G.R, 2001 )。
著者らはGEOTAIL衛星のLEPデータを用いて、 熱的温度のエネルギー帯から高エネルギー粒子の 中間エネルギー帯にかけてDawn-Dusk方向の plasma sheet の非対称性を理解すべく統計解析を行った。GSM座標 系でXが-10から-30$R_E$の範囲の plasma sheet を 1995年9月〜2000年2月までの4年6ヵ月のデー タをスピン平均して用いた。エネルギーチャンネルは イオンでは1.5〜40KeV、エレクトロンでは0.5〜40KeVの 範囲を使用した。また、plasma sheet の条件として イオンの温度が1.5KeV以上で密度が0.1〜1.5/cc、 Bx<3とした。その結果、20KeV以上のエネルギーの チャンネルではDawn側でelectronが rich、Dusk側では ion が rich というY方向 の非対称性が見られた。その非対称性の度合いはKp指数により違い、 Kp指数が低い磁気圏が穏やかなときよりKp指数が高い磁気圏が 荒れているときの方が非対称性が効いているという結果が得られた。 また、エネルギーの低いチャンネルとエネルギーの高いチャンネル とでは非対称性に違いが見受けられた。Dawn-Dusk非対称性を Kp指数の違い、エネルギーの高低を視野にいれて考察した 結果を報告する。