1999年10月のイベントに対する地球磁気圏のMHDシミュレーション
*今井 優司[1], 朴 京善[1], 荻野 竜樹[1]
名古屋大学太陽地球環境研究所[1]
MHD simulation of Magnetospheric in the Event on October, 1999
*Yuji Imai[1]
,Park Kyung Sun [1],Tatsuki Ogino [1]
Solar-Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University[1]
We have studied the event on October 21, 1999, using a 3-dimensional
global magnetohydrodynamic (MHD) simulation of interaction between
the solar wind and the earth's magnetosphere when the WIND observations
in the upstream were used as input of simulation. On the event,
the solar wind changed suddenly. We used the solar wind and magnetic
field observed by the WIND satellite every 1 minute. The input
data are the solar wind X-component of velocity, plasma density,
pressure and IMF Y and Z components in GSM coordinate. We studied
response of the magnetosphere to sudden change of the solar wind.
磁気嵐は、太陽風の動圧および、惑星間磁場(IMF)の南向き成
分の増大によって起こる。1999年10月22日に大規模な磁気嵐が起こ
っていて、宇宙天気研究で大変注目されているが、その前日の10月
21日にも太陽風動圧が急激に増大していて、大変興味ある現象が見
られる。
本研究では、1999年10月21に太陽風動圧が急激に増大するイベン
トに注目し、WIND衛星のデータをシミュレーション入力として、太
陽風磁気圏相互作用のグローバル3次元電磁流体力学的(MHD)シ
ミュレーションを行った。このイベントの特徴は、太陽風動圧の急
激な増加と同時に、IMFのY成分も非常に大きくなる点である。また、polar cap potentialが、IMFのY成分の大きさに依存することが分
かった。今回は磁気圏尾部のダイナミックスに着目して、シミュレ
ーション結果を解析した。
シミュレーションの方法は、MHD方程式とMaxwell方程式を初期値
境界条件として、Modified Leap-frag法を用いて計算した。太陽風
とIMFの入力パラメータは、1分ごとのWIND衛星の観測データを使用
した。実際の入力データは、GSM座標系を用いて、太陽風の速度のX
成分、プラズマの密度、プラズマの圧力、IMFのY成分とZ成分である
。3次元格子点の数は、境界を除いて(nx,ny,nz)=(500,150,300)で
、格子間隔は0.3Reである。
太陽風動圧やIMFが地球の昼側に影響を与えてから、磁気圏尾部に
影響を及ぼすまでには、時間遅れがある。我々はこのイベントの太陽
風動圧が、磁気圏尾部に影響を及ぼす応答時間を調べ、また太陽風動
圧の急激な増加と減少によって、どのような磁気圏尾部構造の変化現
象が生じているかを調べた。特に02:29UTから04:40UTに磁気圏尾部
で強い運動エネルギーが生じているところに注目した。