北海道駒ヶ岳における火山電磁気学的研究
- 広帯域MT観測 -
*谷元 健剛[1], 西田 泰典[1], 高橋 幸祐[2]
大前 幹夫[3], 宮原 昌一[3], 山谷 祐介[3], 渡辺 友浩[3]
北海道大学大学院理学研究科[1]
東北大学大学院理学研究科[2]
北海道大学理学部[3]
Volcano-electromagnetic study in Hokkaido Komagatake volcano
- Wideband-MT survey -
*Kengou Tanimoto[1]
,Yasunori Nishida [1]
Kousuke Takahashi [2],Mikio Omaye [3],Shoichi Miyahara [3]
Yusuke Yamaya [3],Tomohiro Watanabe [3]
Graduate School of Science, Hokkaido University[1]
Graduate School of Science, Tohoku University[2]
Faculty of Science, Hokkaido University[3]
In order to obtain a resistivity structure of the Hokkaido Komagatake
volcano, audiomagnetotelluric (AMT) and ULF-MT surveys were
carried out on the edifice of the volcano in 1998 and 1999. A
succeeding attempt was made in August, 2001 for a wideband frequency
range (Wideband-MT) to reveal the more deeper and broader structure
precisely.
北海道駒ヶ岳火山の山体内部および地下数kmまでの詳細な比抵抗
構造を明らかにするため、1998年7月のAMT観測、1999年7月のULF- MT観測に引き続き、2001年8月に広帯域MT観測を行った。本発表で
は、各観測で得られた成果と、それらを総合した構造解析の結果に
ついて述べる。
AMT法による浅部比抵抗構造探査
駒ヶ岳火山の詳細な浅部比抵抗構造を明らかにするため、AMT法探
査を1998年7月7日から17日までの11日間、北海道大学と地質調査所
との共同観測として行った。火口原内の1942年大亀裂の走向、およ
び広域的構造(松波ほか、1995)とほぼ直交するN45。E - S45。W方向
に測線を選択した。V5-MT16システムを測定に用い、リモートリファ
レンス測定は行わずシングルサイトでの測定のみを18測点で行った
が、全体としておおむね良好なデータを取得することが出来た。
ULF-MT法による比抵抗構造探査
AMT観測では比較的浅部の比抵抗分布を調査の対象としていたが、
前述の低比抵抗層の下限分布を調べて比抵抗基盤を求めるため、よ
り深い探査深度を持つ観測が必要となった。そのため1999年7月1日
から10日間、ULF-MT法による比抵抗構造探査を行った。測定にはU- 43システムを用い、クオリティの向上を図るためにリモートリファ
レンス観測を行った。観測はリファレンス点を含めて全8測点で行
い、1998年度のAMT観測の際に測定した測点と合わせて合計9測点で
のデータを得た。サンプリングは16Hzと1Hzの両方を用い、各測点で
それぞれ2晩ずつデータ収録を行った。
広帯域MT法による比抵抗構造探査
前述のAMT,ULF-MTにくわえ、山体内部の構造をより広域的に調べ
るため、N45。W - S45。E測線(新規観測)、N45。E - S45。W測線(従
来の補充観測)の2測線にて広帯域MT観測を行った。Phoenix MTUシ
ステムを測定に使用し、新規測線上で7点、従来測線上で2点、交点
近傍の2点の合計11点にてデータを取得した。測定は基本的に2点で
同時に行い、リモートリファレンス処理を可能にするよう配慮し
た。