アラスカ・ポーカーフラットで観測された熱圏中性水平風と銀河雑音吸収の比較

*門前 好澄[1], 石井 守[2], 森 弘隆[2], 村山 泰啓[2]
Mark Conde[3], 奥澤 隆志[1]

電気通信大学[1]
通信総合研究所[2]
アラスカ大学[3]

Comparison between CNA and neutral horizontal wind observed at Poker Flat, Alaska

*Yoshizumi Monzen[1] ,Mamoru Ishii [2],Hirotaka Mori [2]
Yasuhiro Murayama [2],Mark Conde [3],Takashi Okuzawa [1]
The University of Electro-Communications[1]
Communications Research Laboratory[2]
University of Alaska Fairbanks[3]

The movement of Cosmic Noise Absorption region with high velocity, so called CNA drift, is often found in the dataset of imaging riometer measurement. The main purpose of this study is to research the characteristics of optical aurora during the CNA drift. The dataset of CNA is obtained from the imaging riometer at Poker Flat Research Range (65.1N, 147.5W), Alaska. In addition, the dataset of the meridian scanning photometer (MSP) is used for the comparison. Some initial results show that the CNA distribution is quite similar to that of optical aurora. We will present some quantitative comparisons using numerous examples, and discussions about energy spectrum in CNA drift event.

極域電離圏ではオーロラに伴うジュール加熱・粒子加熱が中性 大気の運動に影響を及ぼすと考えられている。筆者等はこれま で光学的オーロラと銀河雑音吸収(CNA)との関係を調べ、降下 電子エネルギーのスペクトルについて定性的な推定を行ってき た。今回の研究はこの延長としてそれぞれのケースで中性風に 与える影響を調べる事を目的とする。本研究では、同じ視野内で のCNAと中性水平風の2次元プロットを出力し、それぞれの運動間 の定性的な比較を行った。CNAと中性水平風の動きの詳しい解析 は、アラスカプロジェクトが進めているうちの一つであるイオン −中性粒子相互作用の理解を深める上で有力な手がかりとなる。 本研究で用いたCNAデータはイメージングリオメータで観測され たものを使用している。この装置は通信総合研究所が1995年10月 にアラスカ州ポーカーフラット実験場 (地理座標65.1N, 147.5W、磁気座標65.5N, 100.2W)に設置され たもので[Murayama et al.,1997]、256本のクロスダイポールア ンテナを16行×16列に配列することにより256種類のアンテナパ ターンを生成し、高度約90km、水平範囲約400q四方のCNAパター ンを観測する事ができる。空間分解能は天頂方向で6度 (11q)、時間分解能1秒、電波吸収量の最小検出感度は 0.05dBで、24時間連続データを取得している。また、中性風 データはScanning Doppler-Imaging Intergerometer(SDI)の 観測データを使用した。この装置はアラスカ大学によってポーカ ーフラット実験場に設置されたもので、時間分解能7分で全天に おけるOT630.0nm(推定高度約240km)の中性大気の速度、温度 を測定する事ができる。 現在、数例の解析を行った中にCNAの動きと中性水平風の流れの 間に同様な構造を持つイベントが見つかった。講演においてはよ り多数の解析から得られたCNAと中性水平風の間の定性的な 結果、また考察を報告する予定である。