イオノゾンデによるE層FAI直下の観測

*野崎 憲朗[1], 北 一麻呂[2], 小川 忠彦[3], 篠原 学[3]
山本 衛[4]

通信総合研究所[1]
福井工業高等専門学校[2]
名古屋大学太陽地球環境研究所[3]
京都大学宙空電波科学研究センター[4]

Ionosonde observation just below the E-layer FAI

*Kenro Nozaki[1] ,Kazumaro Kita [2],Tadahiko Ogawa [3]
Manabu Shinohara [3],Mamoru Yamamoto [4]
Communications Research Laboratory[1]
Fukui National College of Technology[2]
Solar Terrestrial Environment Laboratory, Nagoya University[3]
Radio Science Center for Space and Atmosphere, Kyoto Univ.[4]

Ionosonde observation was carried out at Sabae, Fukui where just below the illuminating area of MU radar with Es FAI mode. Time resolution of the ionosonde was 1 minute and height resolution was less than 3 km.
The FAI appeared after midnight of May 22, 2001 and ionosonde observation showed good correspondence in height variation with FAI. However, appearance of Es, ftEs, and fbEs seems not to correlate with the FAI.

 MUレーダのE−層FAI観測では磁力線との直行条件を満たすために 観測ビームを北に傾けて送信するが、MUレーダ観測点直下 の福井県鯖江市でイオノゾンデ観測を行い、スポラディックE層(Es) の臨界周波数(ftEs、fbEs)、反射高度(h’Es)の変動を 観測した。 FMCWイオノゾンデにより高度分解能3km以下で 毎分2MHzから7MHzの間を周波数掃引して観測を行い、 15分毎に2MHz〜30MHzで電子密度のプロファイルを観測した。 2001年5月22日夜の共同観測では7時(UT)頃からイノゾンデに 強いEsが出現し、11時(UT)頃からFAIの散乱波が 観測された。
 11時(UT)以降はFAIの出現とEsの出現はよく対応する。 また、Esの高度変動はFAIエコーの下側の高度とよく対応する。 FAIエコーの急激な高度変化をする場合にはEsは 新しい層が出現するような高度変化を見せる。
 イオノゾンデ観測ではしばしばEsが上下に分離した 複数の層になって観測される。また、高い観測周波数ではエコーの幅が 広がり、スプレッド気味になっていることが多い。Es内部の電子密度の粗密を表すfbEsは激しく変動したが、FAI の出現とは相関がないように見える。
 14時(UT)以降FAIは周期的に現れながら高度を下げるが、 Esは無関係に出現する。ただし、出現する高度はFAIと対応する。