太陽圏イメージング装置に用いるノイズ遮蔽フェンスについての考察

*関口 孝公[1], 藤木 謙一[1], 小島 正宣[1]
徳丸 宗利[1], 東山 正宣[1], 横辺 篤史[1], 大見 智亮[1]
山下 真弘[1], 林 啓志[1], 石田 善雄[1], 吉見 直彦[58240]

名古屋大学太陽地球環境研究所[1]
[58240]

Consideration of the noise shielding fence for the Heliospheric Imager

*Takahiro Sekiguchi[1] ,Ken'ichi Fujiki [1]
Masayoshi Kojima [1],Munetoshi Tokumaru [1]
Masanobu Higashiyama [1],Atsushi Yokobe [1]
Tomoaki Ohmi [1],Masahiro Yamashita [1],Keiji Hayashi [1]
Yoshio Ishida [1],Naohiko Yoshimi [58240]
Solar-Terrestrial Environment Laboratory[1]

We have been studying the solar wind using interplanetary scintillation (IPS) observations with four large antennas.To improve a spatial/temporal resolution of our IPS observations,we plan to construct a new IPS antenna (called"Heliospheric Imager") with a high sensitivity.One of key facilities for this new antenna is a fence to shield the man-made noise effectively.To determine the optimal structure of the noise shielding fence,we have performed some experiments of the noise shielding effect using the real-scale model and the miniature (1/30) model.We also made numerical calculations of the shielding effect to compare results of those experiments.In this presentation,we report the results of our study on the shielding fence,and the over-all characteristics of the new antenna.

現在我々のグループは惑星間空間シンチレーション(IPS)を利用 した太陽風観測を行っている。IPS観測は、地球から遠方の天体を 電波で観測し、その視線上を横切る太陽風による電波の散乱を観測 することによって、太陽風の速度構造や密度ゆらぎの大きさを求め る観測法である。また、現在数カ国でIPS観測用のアンテナ建設が 計画されている。 現在我々のグループはIPS観測のために4地点のアンテナを使用して いる。そのうち豊川にあるアンテナは建設から長い年月が経ち、 基本設計が古いために感度が低く、また市街地にあるため人工的な ノイズも多い。そこで現豊川アンテナに換えて有効面積が大きく、 ノイズ耐性・耐久性・整備性・保守性にも優れた新アンテナである 太陽圏イメージング装置の建設を計画し、現在基礎実験を行ってい る。 計画中のアンテナは受信部が地上約7mの高さに露出しているため、 地上からのノイズに干渉されやすい。そこで、アンテナの観測可能 領域を狭めない範囲でフェンスの建設を計画している。市街地ノイ ズは天体からの電波に比べて1000倍以上の強度を持つため、市街地 ノイズを30dB以上減衰させる必要がある。我々は、これまでに次の ような実験を通じて効果的なフェンス形状の検討を行ってきた。 まず実サイズ(実際の波長)で遮蔽フェンスを製作し、減衰特性を 測定して数値計算結果との比較を行った。次にサイズ(波長)を 1/30にスケールダウンして遮蔽フェンスを製作し、同様の実験を行 った。さらに、スケールダウンした遮蔽フェンスの構造を変化させ て、最も効率よくノイズを遮蔽するフェンスのパラメータを決定し た。本講演では、太陽圏イメージング装置のためのノイズ遮蔽フェ ンスの開発実験の結果と、それに基づく新アンテナの総合特性につ いて述べる。