非対称高速磁気リコネクションにおいて発生する超音速膨張加速機構の発生条件

*清水 徹[1]

愛媛大学、情報工学科[1]

The onset condition for the supersonic expansion acceleration mechanism in the fast magnetic reconnection

*Tohru Shimizu[1]
Ehime University, Dep. of Computer Science[1]

The onset conditions for the supersonic expansion acceleration mechanism caused in the fast magnetic reconnection process is studied with MHD theory and simulations. At least, two conditions are required for the onset. In the first condition, the reconnection jet generated by the slow shock associated with the reconnection process must be supersonic. In the second condition, the supersonic jet must expand in the direction normal to the jet. The latter condition seems to be naturally caused by the swelling plasma loop, around which reconnected field lines pile up. The first condition is derived from the Rankine Hugoniot relation in the slow shock. In this paper, the Rankine Hugoniot relation is analytically applied to the slow shock in the asymmetric reconnection model to get the first condition.

高速磁気リコネクションにおいて発生する超音速膨張加速機構の発生条件が磁気流体理論と数値シミュレーションにより調べられる。少なくとも、二つの発生条件が要求される。第一の条件として、高速磁気リコネクションにおいて生じるスローショックが生成するリコネクションジェットが超音速でなければならない。第二の条件として、その超音速ジェットは流速に直角方向に膨張しなければならない。この第二の条件はリコネクトしたプラズマが下流域に堆積してプラズマループを形成するなら自然に満たされると考えられる。なぜなら、その様なプラズマループでは電流層の圧力バランスは崩れるから、そのプラズマループは電流層に直角方向に膨張し、ゆえに、それに伴いジェット領域も自然に膨張すると考えられるからである。一方、明らかに、第一の条件はスローショックの強さに依存する。我々はランキンユゴ二オ式を定常的な非対称高速リコネクションモデルに適用し、リコネクションジェットが超音速になるための条件を調べた。その結果、1:超音速ジェットが生じるには電流層の両側の上流域のそれぞれベータ値と密度比がある関係式を満たしていることが必要である。 2:片方の上流域のベータ値がある程度以上であれば、いかなる場合でも、超音速ジェットは生じない。本発表では、これらの結果と非定常なシミュレーション結果を照合し、第一条件の妥当性について議論する。