電離層電流系に対する誘導電場の効果
*竹田 雅彦[1]
京都大学大学院理学研究科付属地磁気世界資料解析センター[1]
Effects of induction electric field on ionospheric current system
*Masahiko Takeda[1]
Data Analysis Center for Geomagnetism and Space Magnetism, Kyoto University[1]
Effects of the induction field on the ionospheric Sq current
system were examined by a simulational study using thin-shell
model with uniform conductor representing solid Earth. It was
found that the effects are relatively small and appear only when
the frequiency is about 100 times of the real field. Furthermore,
existence of the uniform conductor representing the solid Earth
reducues the induction effect to about half.
電離層電流系に対して誘導電場がどの程度寄与するかを調べるため、
薄層近似・電流関数を用いて電離層電流の計算を行った。
まず、Sqダイナモに対する効果を調べた。
その結果、地球内部の導電性を無視したとしても、
誘導電場の効果はその強さを実際の100倍程度にして
(周期を1/100にしたことに相当)初めて差が見いだせるようになる
程度であるが、さらに、地球内部の導電性を考慮して深さ500kmに
1S/mの一様導体球をおくと、誘導電場の効果はほぼ半減することが
わかった。
これに対して、一様導体球内を流れる電流の作る磁場は、
100倍にしてもほとんど変わらないという結果が得られた。
より短周期の電離層電流/地磁気変化についての誘導電場の効果や、
海洋の効果については講演時に述べる予定である。