フラックスゲート磁力計センサの低温度特性

遠山 文雄[1], *馬場 元樹[1]

東海大学工学研究科[1]

Low Temperature Characteristics of Fluxgate Magnetometer Sensor

Fumio Tohyama[1] ,*Motoki Baba [1]
School of Engineering,Tokai University[1]

A fluxgate magnetometer has used for detecting a weak ambient magneticfield of the moon and planets by satellites. A good performance on the temperature characteristics of the sensor is a most important parameter for a high sensitive observation. Especially, the characteristics should be improved for the Mercury mission. The changes of temperature is from 20 degrees to -150 degrees. We test and compare some typed sensors.

 フラックスゲート磁力計は、DCレベルの高感度微小磁場計測器 であり、月や惑星の探査衛星などの微弱磁場計測などに用いられ ている。探査衛星搭載のフラックスゲート磁力計センサは、温度 環境の厳しい宇宙空間に露出されているため、センサの温度特性 が重要となる。本研究では、センサの低温度特性を詳しく知ると ともに、高感度測定や雑音低減のためにセンサの改良を目的とす る。これまで我々が行ってきた実験から、国産リングコアセンサ は、衛星搭載用として従来使われてきた米国産に比べ雑音レベル は良いが、温度特性が良くないということが判明した。その理由 としてパーマロイコアとそれを巻いているボビンの熱膨張係数の 違いが挙げられる。そこで今回、熱膨張係数がパーマロイとほぼ 同等なインコネルをボビンの素材に使用しリングコアセンサを試 作した。実験は、液体窒素を使用し室温から‐150℃程度の温度 範囲で行う。実験試料は日本産2種(直径27mm,18mm) アメリカ産1種(1inc)、試作コア2種(直径27mm, 18mm)を使用する。各コアにトロイダル状の励磁用コイルを 巻き、ピックアップコイルに共通のものを使用した。励磁条件は 今までの実験結果から、最良の雑音レベルを示した励磁波形Duty 25%パルス波電流励磁、励磁周波数8KHz、励磁磁場振幅 10Oepp以上とした。今回は、低温度でのフラックスゲート 磁力計出力の振る舞い、日・米・試作コアの温度特性比較につい て報告する。