火星探査機のぞみに搭載された紫外撮像分光計による地球コロナの観測
*槌谷 翼[1], 渡部 重十[1], 中川 広務[2], 高橋 幸弘[2]
福西 浩[2], 田口 真[3]
北海道大学[1]
東北大学[2]
国立極地研究所[3]
Observation of Geocorona by Ultra Violet Imaging Spectrometer (UVS) on NOZOMI
*Tsubasa Tsuchiya[1]
,Shigeto Watanabe [1]
Hiromu Nakagawa [2],Yukihiro Takahasi [2]
Hiroshi Fukunishi [2],Makoto Taguchi [3]
Hokkaido University[1]
Tohoku University[2]
National Institute of Polar Research[3]
Ultra Violet Imaging Spectrometer (UVS) is one of the instruments
of NOZOMI spacecraft. UVS consists of 2 instruments, Grating
Spectrometer (UVS-G) and Hydrogen and Deuterium Absorption Cell
Photometer (UVS-P). The objects of research by UVI are to investigate
the interaction between Martian atomosphere and solar wind, Local
Intersteller Cloud(LIC) and Martian hydrogen/ oxygen coronas.
Before arriving at Mars, we heve to check sensitivity, noize
and contamination of UVS-P/-G in detail. In 1998, UVS observed
Lyman α emissions from both geocorona and moon scattering lights
from the sun. The results showed that the hydrogen geocorona
extended up to a few 1000 km altitudes and the temperature was
~1000 K.
火星探査機のぞみに紫外撮像分光計(Ultra Violet Imaging Spectrometer: UVS)が搭載されている.UVSは回折格子型分光計
(Grating Spectrometer: UVS-G)と水素・重水素吸収
セルフォトメーター(Hydrogen and Deuterium Absorption Cell Photometer: UVS-P)の二つの装置からなっている. UVSの観測目的は太陽風と火星超高層大気の直接相互作用, 星間風, 火星大気コロナ, 重水素/水素比の測定である.UVS-Pについては, 火星到着後の観測で正確な測定値を得るために感度
の見積もりを正確に行う必要がある.そこで, 我々は月, 星間風, 地球コロナ観測からUVS-Pのノイズ成分や迷光の
見積もりを行った.
データーはUVSが月と地球コロナを同時観測していた1998年9月
24日のものを用いた. UVS-Gは月と地球を同時に観測していたが, UVS-Pは太陽からの迷光によって月を観測できず地球コロナだけ
を観測していた. UVS-PはHセルだけをON/OFFしていた.
UVS-GとUVS−Pのデータを比較することにより, UVS-Pの感度, 視野, ノイズ, 迷光の見積もりを行った.UVSが地球を観測している
とき, 地球のサイズよりも広い範囲に渡ってライマンα光
を得た.その広がりは地球表面から数千kmに広がっていた.
これは地球水素コロナによるものである. また, セルの
フィラメントをオンの時とオフの時とでの明るさを見積もった
ところ, 大きな吸収が見られた.この結果は, 地球水素コロナ
の温度はセル内の温度と同程度であったことを示している.
今後は地球水素コロナの密度・温度分布や星間風の密度・温度・
速度を見積もっていく予定である.