大気波動によるOH大気光変調シミュレーション

*内島 仁志[1], 岩上 直幹[1]

東京大学大学院地球惑星科学専攻[1]

Simulation for the response of the OH airglow layer to atmospheric
gravity waves

*Satoshi Uchijima[1] ,Naomoto Iwagami [1]
Department of Earth and Planetary Science, The University of Tokyo[1]

The excitation and emission of the OH band process contains supply of O3. To discuss about the structure of OH Band airglow layer, O3 supply process time dose not ignored, for this period (about 1000[s] at 90km) is not fully small toward the typical gravity wave period (about 1200 [s]). Considering this problem 1-wavelength deviates in comparison with other airglow layers to the gravity wave at the OH band airglow layer. Though some experiments carried out in the chemical conditions are steady, this study presents simulation for the response of the OH airglow layer to atmospheric gravity waves in the time depending chemical condition

大気光発光層の構造は中間圏における大気波動を調べるのによい手法とし て用いられてきた。近年、大気重力波により酸素原子密度が変調される事 によって発生する発光層の構造に対する理解の為に様々な観測が行われ た。そして、それらの研究では各大気光の励起発光過程にかかる時間が重 力波の周期に対して短いとし、定常を仮定して研究が進められてきた。し かし、OH帯の励起発光過程においてはO3を生成する過程が含まれており、 O3の生成時間は高度90km近傍で約1000秒と他の大気光の励起発光過程にか かる時間と比べて非常に長くなる。その為地上で観測を行う時ではOH帯大 気光は他の大気光と比較して異なる位相で波状構造が現れると推測でき る。ここに重力波の周期が約1200秒であるとすると波状構造の位相は他の 大気光と比較して約1波長ずれる事になり、大気光に現れる波状構造を議 論する時に大きな誤差が生じる可能性がある。そのため今回の研究では、 重力波により中性粒子の密度を変調させる力学過程とOH帯、Atmospheric (0,0)帯の発光励起過程をあわせた時間発展によるモデルのシミュレーシ ョンを行い、そして各大気光間での位相についての比較を行う事によっ て、OH帯大気光における励起発光過程の時定数の長さが、どの程度影響を 与えるかを見積もる事にした。シミュレーションで使用した大気はMSIS90 モデル大気より2000年1月に行われたWAVE2000キャンペーンと同地点、同 時刻の物を使用した。シミュレーションは力学過程として重力波とO2、 N2、Oなどが線形に応答するモデルを用い、化学過程としては、OHの励起 状態、O2(b)などを時間発展で扱った。ただしO2、N2、Oにおいては化学反 応による損失はないものとした。