電離圏F層酸素イオンの極端紫外光(EUV)による観測
*中坂 有希[1], 山崎 敦[2], 吉川 一朗[3], 田代 真一[2]
三宅 亙[2], 中村 正人[1]
東京大学大学院地球惑星科学専攻[1]
通信総合研究所[2]
宇宙科学研究所[3]
EUV measurement of the ionospheric oxygen ions
*Yuki Nakasaka[1]
,Atsushi Yamazaki [2],Ichiro Yoshikawa [3]
Shinichi Tashiro [2],Wataru Miyake [2],Masato Nakamura [1]
Earth and Planetary Science, University of Tokyo[1]
Communication Research Laboratory[2]
Institute of Space and Astronautical Science[3]
We have measured the OII emission from the F-layer ionosphere
by the sounding rocket SS-520-2.
We have built an extreme ultraviolet (XUV) scanner sensitive
to the OII 83.4nm emission. It is contamination free from the
Lyman-alpha line, which is attribute achieved for the first time.
XUV observed very high intensity of OII emissions from the ionospheric
F layer. We have estimated the column density of the oxygen ion
along the XUV's LOS from the measured OII intensity. In this
presentation, we will discuss the density profile of the oxygen
ions in the ionospheric F region, i.e., the dependence on the
altitude, longitude and latitude, and compare the obtained distribution
with the model of the ionosphere.
昨年12月にノルウェー、スバルバードから打ち上げられた
ロケット SS-520-2 号機へ私達は、酸素イオン共鳴散乱光
(OII)を検出する光学機器(極端紫外光センサー: XUV)
を開発・搭載し、電離圏F層からのOIIを観測することに
成功した。
電離圏F層では、酸素イオンは主要な成分である。この
酸素イオンの分布を光学観測の手法を用いて検出する
ことを試みた。酸素イオンは太陽光の波長83.4nmの光
(OII)を共鳴散乱している。そこで私達は、OII 83.4nm に感度をもち、さらに近接波長領域に存在するジオコロナ
起源の水素Lyman-alpha線(波長121.6nm)を充分に除去
するセンサーを開発し、SS-520-2号機に搭載した。
ロケットは打ち上げ後X+600秒で最高高度1100 km に
達し、電離圏上部を観測したと考えられる。XUV は
打ち上げ後 X+185秒(高度 500 km)から着水まで観測
した。高度350kmより下では、XUVは電離圏F層からの強い
OII(200〜300Rayleigh)を観測している。
この観測されたOIIの強さから、XUVの視線方向に沿った
酸素イオンのコラム密度を見積もった。
本講演では、電離層F層での酸素イオンの密度について、
高度、緯度、経度などの依存性を議論したい。
また得られた分布と電離圏モデルとの比較も行う。