Oersted衛星磁場観測データから推察される春分秋分時の電離層南北半球間非対称
*山下 哲[1], 家森 俊彦[1], 竹田 雅彦[1]
京都大学大学院理学研究科[1]
Asymetry of the Ionospher between Southern ans Northern Hemisphere as Obserbed by the Oersted Satellite
*Satoru Yamashita[1]
,Toshihiko Iyemori [1]
Masahiko Takeda [1]
Graduate school of science Kyoto University[1]
The direction of the inter-hemispheric currents has been considered
to shift at the equinox, because these currents is driven by
the asymmetry of the ionopsheric dynamo between the southern
and northern hemispheres.
Using the Oersted satellite data, however, the inter-hemispheric
field-aligned currents are found to be flowing in such direction
that the intensity of the iosnospheric dynamo process is stronger
in the southern hemsiphere than in the northern hemisphere in
March and opposite in September. Our analysis shows that the
direction of these currents shifts in May and November. It indicates
that the asymmetry of the ionospheric dynamo between southern
and northern hemisphere vanishes in May and November, not at
the equinox.
電離層ダイナモ電流と関連した南北両半球の地磁気共役点間
を流れる沿磁力線電流の存在をOersted衛星および地上の
磁場観測データから確認した。 今回は電離層ダイナモ
に関しては電離層の実質的な春分秋分が5月、 11月である
ことを上記電流系の季節変化から発見したことを報告する。
Oersted衛星は極軌道衛星で、 14:00LT-02:00LT (1999年2月)の子午面から西向きに軌道面を回転させながら
飛翔しており、 2001年6月までにほぼ全てのローカルタイム
での観測を終えている。
電離層ダイナモ電流起源の沿磁力線電流は大きく分けて
朝側(夏半球から冬半球へ流れる)、 正午付近(冬半球
から夏半球へ流れる)、 夕方側(冬半球から夏半球へ流れる)
の3つが理論的には予想されてきた。 この沿磁力線電流は
電離層ダイナモ電流の南北半球間の非対称から流れるため、
流れる方向は春分、 秋分に逆転するものと考えられてきた。 しかしながら、 Oersted衛星の観測では春分時には電離層
ダイナモ電流は南半球の方が北半球より強く、 秋分時には
その逆である事を示す向きに沿磁力線電流が流れており、
また、 この電流の流れる方向の逆転は5月、 11月に起こる事
が確認された。 すなわち、 電離層ダイナモ電流の両半球間
の非対称がゼロになるのは春分、 秋分時では無く、
約2ヶ月遅れた5月と11月であることが推察される。
講演では電離層の春分、 秋分時の南北非対称をもたらす効果
について検証する。