地磁気アノマリーの磁気圏放射線帯への効果

*油江 宏明[1], 家森 俊彦[1]

京都大学大学院理学研究科[1]

The Effect of Geomagnetic Anomaly to the Radiation Belt

*Hiroaki Yugo[1] ,Toshihiko Iyemori [1]
Graduate School of Science, Kyoto University[1]

The geomagnetic field is mainly dipole like, but the contribution of the axis asymmetric parts, for example, South Atlantic Anomaly, are not small, and these asymmetric parts may influence the formulation of the radiation belt. Here, we added asymmetric part by spherical function which decreased by 4th power of the radial distance to the dipole magnetic field, and traced the charged particles numerically in this field. One tendency was that the millar motions developped, became asymmetric to the equatrial plane, and fluctuated north to south by longitudal degree. Another tendency was that the variations of the L value defined by dipole changed wide by longitude.

地磁気は、主としてダイポール形をしているが、南大西洋磁気異常など の非軸対称要素も大きく、これは、磁気圏放射線帯の形成にも影響をお よぼしているものと思われる。そこで、今回は、ダイポール磁場に対し て球関数を用い、動径距離の4乗で落ちる非軸対称項を加え、そのなか で、荷電粒子のトレーシングを行った。計算は、系をハミルトン形式に 書き直して行う8次のシンプレクティック法を用いた。まず1つの傾向 として、ミラー運動が大きくなり、赤道面に対して非対称になり、経度 ごとの子午面内のミラー運動が大きく南北に変動し、低緯度に粒子が降 り込むケースも見られた。これは、南大西洋磁気異常領域への粒子の降 り込みと、関連していると思われる。また、ダイポールによってL値を 見積もると、非軸対称項の子午面内成分が卓越する領域では粒子のL値 が大きく変動し、経度方向成分が卓越する領域ではこの変動が小さかっ た。これは、放射線帯内帯と外帯の結合に関連する結果と思われる。講 演では、更に現実に近い磁場内での計算結果を報告す る。