リコネクション磁場中における相対論的粒子のPower-Lawエネルギースペクトル

*銭谷 誠司[1], 星野 真弘[1]

東京大学大学院理学系研究科[1]

Formation of power-law energy spectrum in the reconnection field topology --- in case of reconnection of e+ - e- plasmas

*Seiji Zenitani[1] ,Masahiro Hoshino [1]
Graduate School of Science, University of Tokyo[1]

As we have recently shown, relativistic magnetic reconnection in electron-positron plasmas can produce a lot of non-thermal particles around the X-type neutral region. It is quite interesting that energy spectra of accelerated particles looks like power-law. In this talk, we will introduce a new idea that accounts for power-law spectra. It will be demonstrated that relativistic particles, which are accelerated in the reconnection X-type fields, form power-law energy distribution.

磁気リコネクションは、宇宙空間・惑星間空間における重要な プラズマ加速過程のひとつである。リコネクションでは特に、 Ｘ点近傍のSpeiser/meandering運動を通じた粒子加速が 知られている。さらに、筆者らが修士課程で行った電子-陽電子 プラズマの相対論的リコネクションのシミュレーション研究では、 地球磁気圏ベースの研究では現れなかった加速過程が見つかった。 系のAlfven速度を光速近くに設定した場合、Ｘ点をとりまく 広い空間領域で電場が卓越し、粒子がSpeiser/meandering運動に 抗って電場とresonantするため、効率的に粒子が加速される。 このとき、加速領域の粒子のエネルギースペクトルは係数が −１程度のPower-Law分布で近似できることがわかっており、 宇宙に普遍的に存在するPower-Law分布がリコネクション によって生成されるという点で非常に興味深い。 今回、我々は粒子のエネルギー分布に注目し、いくつかの テスト粒子シミュレーションを通じて、リコネクション磁場中での 相対論的粒子の加速過程を検証した。 その結果、リコネクション磁場中においては、一様なエネルギー 分布から出発した粒子からPower-Law型のエネルギー分布が 生成されることを確認するとともに、加速された粒子の エネルギー分布の形状には、リコネクション磁場のトポロジーが 本質的な影響を及ぼしていることがわかってきた。 特に磁場の形状が B_z(x) 〜 x**s の形で表される場合は エネルギー分布はＮ(E) ∝ E**(s/1-s) になると予測されている。 本公演では、Power-Lawの生成過程という リコネクション加速の側面を紹介したい。