出来事文部省に電波物理研究所設立
昭和17年(1942)
内容 昭和15年(1940)頃までの電離層の研究は海軍、陸軍、逓信省電気試験所の3本立てで行われており不便であったので、電離層及び電波伝播に関する研究並びにその連絡の統一促進を図る機関として、昭和16年(1941)に文部省内に電波物理研究会が設立された。

これには、陸軍・海軍・逓信の3省の関係者の協議の結果、力の均衡関係からこの3省のどれかに置くと他の省の不満が生じるために、結局は文部省所管ということに落ち着いたという経緯があった。

この電波物理研究会が、翌昭和17年(1942)に電波物理研究所に発展し、国内外に多数の観測所を設置して、電離層の研究を進めていった。しかし、戦後のGHQの政策により、昭和23年(1948)に商工省電気試験所の通信部門を母体とする新設の逓信省電気通信研究所に合併される形で廃止された。

この逓信省電気通信研究所の一部の部門が翌年分離独立し、さらに幾多の紆余曲折を経て、昭和27年(1952)設立の郵政省電波研究所を構成する部門の一部に発展していった。しかし、GHQの政策に一貫性がなかったため、逓信省電気通信研究所が郵政省電波研究所の直接の前身とは単純には言えない。

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